第1節 南京市

 06年11月1~3日省都南京市を観光し、抱鼓型門墩9組と門枕9組を確認しました。
 南京市は中国南部の政治経済文化の中心地で北京・西安・洛陽に並ぶ四大古都市です。
 そこで特有の型の門墩が沢山有ることを期待したのですが、残念ながら期待はずれでした。
 獅子型は見当たらず、抱鼓型と箱子型だけでした。
 “門扉の回転軸受け”と言う本来の機能を発揮していたのは、夫子廟正門の3組の抱鼓型門墩だけでした。

   画像1:夫子廟正門           (画像をクリックして 大きくなりますヨ)
        夫子廟は宋代の景祐元年(1034年)に孔子を祀る学問府として創建

      され、清朝末期に戦災で消滅し再建されたが先の日中戦争時に再び

       破壊され、1984年に再建されたそうです。
        門墩はその時再建されたようです。
   画像2:夫子廟正門中央出入口の門墩

 

   画像3:瞻園正門
        瞻園(明朝創立に貢献した徐達の子孫が明代嘉靖時代(1522~66)

      に創建した庭園)に抱鼓型門墩がありますが、古い門墩が門に飾りとして

      設置されています。
   画像4:瞻園正門に置かれた門墩

 

   画像5:王導・謝安記念館門 (所在地:烏衣巷9号)
        東晋時代(320~385年)に活躍した二人の政治家王導・謝安の記念

       館の門に抱鼓型が飾りとして設置されていました。
         南京市で見た門に設置されていた門墩は3ヶ所(夫子廟・瞻園・王導

       謝安記念館)だけでした。

 

 南京市で門には使用されなくて、展示品や商品として置かれていた門墩を紹介します。

    画像1:太平天国博物館展示品の抱鼓型
   画像2:莫愁湖公園内の蓮園入口に置かれていた抱鼓型
   画像3:朝天宮近所の古美術商商品の抱鼓型
   画像4:朝天宮前の広場に置かれていた抱鼓型
   画像5:南京博物館展示の抱鼓型
        浙江省寧波市の楊古城氏が下さった写真です。
   画像6:南京博物館展示品の箱子型  (撮影:楊古城氏)
        (南京市の箱子型門墩はこれだけです。)

 

 西安の小雁塔文物保存所長:孔正一氏が南京民俗博物館(甘煕故居)に収蔵されている門礅の写真を下さいました。

   画像1:三匹の獅子が繍玉をもてあそぶ吉祥模様が彫られた托日型です。

   画像2:鳳凰と麒麟が見合う吉祥模様が彫られた托日型です。

   画像3:蓮花が彫られた托日型です。

   画像4:漢紋が彫られた縦板子型門礅です。

   画像5:左右に獅子が繍玉をもてあそぶ吉祥模様が彫られた縦板子型門礅で

       す。

   画像6:正面に連続卍(好事不絶の吉祥が)彫られた縦板子型門礅で 

       す。

   画像7:画像6の内側で水面から瑞雲が一面に立ち昇る吉祥模様が彫られてい

       ます。

   画像8:一面に吉祥模様が彫られた縦板子型門礅です。

        円形の吉祥文字“福”?を三匹の獅子と漢紋が取りまいています。

        下には鯉が龍になる登竜門が彫られています。

 

 縦板子型門礅は長江下流域地方特有の板子型門礅です。

   

   画像1:明孝陵の正門:文武方門
        明朝を開いた朱元璋の陵墓として1413年に完成した明孝陵
   画像2:文武方門の門枕石(赤丸が門枕です。)
   画像3:明孝陵の欞星門の門枕石(赤丸が門枕です。)
        門は壊れて無く、基礎石だけが残っています。

 

   画像4:江寧府学の正門
        清朝の国立大学江寧府学
   画像5:正門の門枕石
        門枕石の正面に花瓶に植えられた花が彫られています。
   
   画像6:甘熙故居の玄関
        秦代から有名人を輩出している名家の甘熙故居(清朝末期建設)が

       南捕庁19号にあります。
        大変な文人で北京でも高官に就任しており門墩があってもいい故居

       ですが、門墩は設置されていません。
        さすがに門柱の基礎は錦鋪を敷いた台座に作られています。台座で

       低く良く見ないと見落としますがネ。

 

第1節 南京市 終