第4節 昆明市
雲南省の省都“昆明市”は標高1891mの盆地にあり、一年中気候温暖で別名"春城“とも呼ばれています。
雲南省は中国の政治的中心地から遠く離れており、紀元前から独立国でしたが13世紀にフビライ軍に征服され、更に14世紀に明朝に征服され城壁都市が築かれ今日に至っています。
この旧城壁内もすっかり高層ビルが聳える近代都市に変身し、古い民家は探さなければ見当たりません。
翠湖周辺・文廟周辺など僅かに残る未開発地区を2004年2月と07年2月に調べて廻りました。
太鼓横置型:8組 台座型:4組 門枕石:6組 門枕木:25組を確認しました。
まず昆明市特有の太鼓横置型を紹介します。
抱鼓型門墩の太鼓は普通台座の上に縦に立てて置かれています。
昆明では太鼓は横に置かれています。昆明以外では見たことはありません。
昆明の雲南大学日本語科学生に聞くと彼らの故郷の門墩も太鼓は横に置かれているそうです。
太鼓の皮を胴に打ち付ける鼓釘が見当たらないので、太鼓では無いのかも知れません。
画像1:馬家大院南門 (所在:景星街35号の路地奥)
画像2:馬家大院の太鼓横置型 (画像をクリックして 大きくなりますヨ)
画像3:“一顆印” (所在:吉祥巷北端)
画像4:“一顆印”の太鼓横置型
画像5:海天閣巷1号の門
画像6:海天閣巷1号の太鼓横置型
(高 20.5cm 幅 29.0cm 全長 72.5cm)
唐草模様が美しい門墩です。
拓本に採らしてもらいました。
雲南大学の建築学者も調査に来た立派な邸宅で、主人は政府に
よる保存を望んでいましたがどうなりますか?
画像7:郭家巷6号の門
画像8:郭家巷6号の太鼓横置型
画像9:文明巷の太鼓横置型
画像10:曙光巷1号の太鼓横置型 (胴直径:23cm)
台座型門墩は4組有りました。
いずれも模様の彫られていない簡素なものでした。
画像1:王九齢故居 (所在:翠湖北路3号)
民国時代の教育者王九齢(雲南大学の前身東陸大学の創立者の一人)
が蘇州浪亭の特徴を取り入れて1925年に建てた邸宅は台座型をそなえ
ています。
画像2:王九齢の台座型門墩(高23cm 幅21cm 奥行23cm)
画像3:直道街4号対面の台座型を備えた民家
画像4:嘉木軒 (所在:翠湖東路2号)
2006年に新築したレストラン
画像5:嘉木軒の木製台座型門墩
大変珍しい木製の台座型門墩です。
門枕石は9組あり、いずれも彫飾りの無い簡素なものでした。
画像1:筇竹寺表門 (撮影:柳井直躬氏)
画像2:筇竹寺表門の門枕石 (撮影:柳井直躬氏)
画像3:筇竹寺内門 (撮影:柳井直躬氏)
画像4:筇竹寺内門の門枕石 (撮影:柳井直躬氏)
画像5:華亭寺山門 (撮影:柳井直躬氏)
画像6:華亭寺山門の門枕石 (撮影:平田芳子さん)
画像7:文廟東巷2号の民家
門枕木は25組ありました。
画像1:曙光巷5号の門
画像2:曙光巷5号の門枕木
角を落とし遊び心を感じさせるものです。
画像3:文廟東巷3号
画像4:文廟東巷3号の門枕木を備えた門
画像5:節孝巷の門枕木を備えた門
ここは中共雲南省委地下党建党旧跡です。
画像6:雲南陸軍講武堂南門
画像7:講武堂南門の門枕木を備えた出入口
東門も門枕木を備えています。
画像8:円通寺山門
画像9:山門の門枕木を備えた出入口
三ヶ所の出入口が門枕木を備えています。
第4節 昆明市 終