第一部 北京市編

 北京を取巻く環状自動車路で一番内側の“二環路”は、明清時代の城壁を取壊した跡地を自動車専用路にしたものです。
 この“二環路”の内側には、明清時代の町並みをそっくり残していました。
 そこに6,504組の門墩が残っていました。(1999年10月現在)
 これらの門墩(mendun)は日本で仏像が座っている“須弥座”に錦の四角い布“錦鋪”を被せた上に、大きく分けて三つの物が乗せてあります。
 “獅子”か“太鼓”か“箱”です。
     
 獅子が乗った獅子型門墩38組・太鼓が乗った抱鼓型門墩1908組・箱が乗った箱子型門墩4553組・特殊型門墩5組でした。
 各型の代表的な門墩を紹介します。

 これらの門墩は立派な台=“錦鋪を被せた須弥座”を持っており“北京式門墩”と名付けました。

   画像1:西城区小翔鳳胡同5号隣の門
   画像2:上記の門の獅子型門墩
   画像3:東城区官書院胡同7号の門
   画像4:上記の門の抱鼓型門墩
   画像5:崇文区東半壁街13号の門

   画像6:上記の箱子型門墩

                                                     (画像をクリックして 大きくなりますヨ)

 

1996年2月~1999年8月の間、北京旧城内の門墩所在地を調査し、所在地を胡同地図の上に書き取りました。
 それを一枚の地図にしました。(赤塗り:撮影済み門墩)

 

北京旧城内の門墩型別分布

                                           (調査期間 1996/6~1998/10) 

  城内計 東城区  西城区  宣武区  崇文区
合 計 6504 2126 1795 1493 1090
獅子型 38 13 17
抱鼓型 1908 656 606 368 278
箱子型 4553 1454 1171 1119 809
特殊型 0

 

 表の様に門墩は高官が住んでいた東城区には多く、庶民が多かった外城(宣武区・崇文区)には少ないです。