中国で消えゆく芸術品 門墩

 ―― はじめに ―― 
門墩(mendun)は大変美しい石刻芸術品です。
門扉の開閉装置としては中国特有の建築資材です。
彫られている模様は、
中国人の倫理観や人生観や願望を表し
その表現には漢字が一音で多文字を表す特性を生かし
漢字でなくては作れない民俗工芸品です。

 

中国の建築様式の変化に伴い、
今や不要品になり、日々姿を消しています。
門墩は中国にしかない文化財です。
保存して後世に伝えるべき人類の文化財だと思います。
保護門墩,刻不容緩。

 

2011年6月 74歳誕生月  

门墩是非常美丽的石雕艺术品。

作为门扇开关装置,门墩是中国特有的建筑器材。

门墩上所雕刻的图案,

表现了中国人的伦理观,人生观和愿望。

表现手法上门墩充分活用了汉字的一音多字的特性,

门墩是只有用汉字才能雕刻出的民俗艺术品。

 

随着中国的建筑风格的变化,

门墩现在已经派不上用场,并一天一天地消失了。

门墩是只有中国才有的文化遗产。

门墩是应该传給后代的人类文化遗产。

                          保护门墩,刻不容缓。     [翻訳:顔 加軍]

 

中国はものすごい勢いで都市再開発を進めています。
その発展の陰で、人々に注目されず人知れず消滅
していく物もあります。
立派な四合院の門を飾っている門墩もその一つです。

代表的な幾つかを紹介します。

画像1:北京市東城区東四七条67号の門 (画像をクリックして 大きくなります)

          見事な獅子型門墩を備えています。 
画像2:抱鼓型有獅子門墩  (天津市沈家柵欄3号)
     見事な彫刻がなされた堂々とした風格の門墩です。
     太鼓の上に獅子が蹲っていたのですが文化大革命の時に壊され
    臀部しか残っていないのが残念です。 
画像3:西安式箱子型門墩 (西安市夏家什字17号)
     山麓を軽やかに疾走する鹿が伸びやかに彫られています。
画像4:托日型門墩 (寧波市永寿街50号)
     “紫気東来”を思わせる波浪から昇る太陽を思わせます。
画像5:雲南省麗江古城現文巷42号の門

     台座型門墩を備えています。 

   この美しい門墩に関連した事項と中国各地の門墩を紹介します。
 



             

                 序 文 

 

              第一部 北京市編 

  第1章 型と身分    第2章 模 様      第3章 門墩の保存

  第4章 枕石園シリーズ 第5章 北京郊外

 

             第二部 黄河流域編 

  第1章 陝西省     第2章 山西省     第3章 河南省

  第4章 河北省     第5章 山東省     第6章 天津市

  第7章 東北地方

 

             第三部 長江流域編 

  第1章 雲南省     第2章 四川省     第3章 重慶市

  第4章 湖北章     第5章 湖南省     第6章 江西省

  第7章 安徽省     第8章 江蘇省     第9章 上海市

   第10章 浙江省     第11章 長江河口に門墩が少ない理由

 

             第四部 東南海沿編 

  第1章 福建省    第2章 広東省      第3章 広西壮族自治区  

  第4章 マカオ    第5章 台 湾

 

             第五部 外国編 

  第1章 日 本      第2章 韓 国      第3章 ベトナム

  第4章 タ イ        第5章 マレーシア 

  第7章 シンガポール

 

あとがき